2024年12月26日
アキュリスファーマ(ACULYS)は、ナルコレプシーに対するヒスタミンH3受容体拮抗薬/逆作動薬Pitolisantが希少疾病用医薬品の指定を取得したと発表しました。
ナルコレプシーについて
過眠症の中枢性過眠症群と呼ばれる病態の一つであるナルコレプシーは、タイプ1とタイプ2に分類されます。
タイプ1は、大笑いしたときや驚きなどの強い感情の動きにより、筋肉の緊張が数秒~2分以内の間一時的になくなり、急に力が抜けたようになる(情動脱力発作)のが特徴です。
タイプ2は、情動脱力発作の症状がみられず、自転車をこいでいる最中に寝てしまう、試験中に寝てしまう、野球の試合中守っている間に寝てしまう、といった通常考えにくい場面での「睡眠発作」がある過眠症です。
・中枢性過眠症群とは、体内時計の周期を外界の24時間周期に適切に同調させることができないために生じる睡眠の障害(概日リズム睡眠障害)や睡眠時無呼吸症による過眠は除くいた過眠症のことです。
Pitolisantについて
Pitolisantは、人間の睡眠・覚醒リズムの制御において重要な役割を担っているヒスタミン含有ニューロンのシナプス前部に分布する自己受容体、ヒスタミンH3受容体へ選択的に結合する拮抗薬/逆作動薬です。
欧州では2016年に「カタプレキシー(情動脱力発作)を伴う、又は伴わないナルコレプシー」を効能・効果として、2021年には「閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)患者における覚醒状態の改善及び日中の過度の眠気の減少」を追加の効能・効果として欧州医薬品庁(EMA)より承認取得しました。米国では2019年に「ナルコレプシーに伴う日中の過度の眠気」を効能・効果として、2020年には「ナルコレプシーに伴うカタプレキシー」を追加の効能・効果として米国食品医薬品局(FDA)より承認を取得しており、既に臨床現場で使用されています。2023年末時点でナルコレプシーについては欧州・米国含め38か国、OSASについては欧州30か国で承認を得ております。
希少疾病用医薬品指定により、新薬承認申請の規制審査期間は従来の12か月から9か月に短縮するほか、追加の支援措置を受けることが可能になります。「日本ではこれまで20年近く新たな治療法がなかったこともあり、本剤を一日も早く、ナルコレプシー患者さんにお届けすることを目指して参ります。」と代表取締役社長である谷垣 任優は述べています。
参考: