難病について早期の正しい診断、適切な疾病管理のための治療継続及び良質な療養生活の確保を図るため、「東京都難病診療連携拠点病院」及び「東京都難病医療協力病院」として指定があります。
東京都難病診療連携拠点病院のその一つである東京都立多摩総合医療センターについてまとめました。
病院詳細
東京都立多摩総合医療センターは、東京都府中市武蔵台に位置し、緑豊かな環境に囲まれた地域の核となる医療施設です。この施設は、広域基幹病院として、東京都立府中病院の跡地に隣接する形で2010年3月1日に新築移転し、運営を開始しました。施設の特徴として、複数の専門医療機関が一体となって機能しており、敷地内には東京都立神経病院や東京都多摩がん検診センター、東京都立府中療育センターが同居しています。また、東京都立武蔵台特別支援学校や東京都立府中看護専門学校が隣接しており、医療と教育の融合が図られた施設群を形成しています。
病院は、高度救命救急センター、地域がん診療連携拠点病院、母体救命システムを含む総合周産期母子医療センター、脳血管疾患や心臓病の専門治療を提供するなど、多岐にわたる高度医療サービスを展開しています。特に、がん治療に関しては、地域がん診療連携拠点病院として指定されており、5大がんを含むほぼ全ての臓器がんに対する手術、化学療法、放射線療法等の集学的治療を積極的に推進しています。また、多摩地域における周産期医療の充実を目的として、高リスク妊娠・出産に対応するための施設と体制を整えています。
病院の診療科目は内科、外科、脳神経内科、循環器内科など多岐にわたり、総勢1,170人の職員(医師179人を含む)によって運営されており、入院設備としては789床(一般705床、精神36床、結核48床)を有しています。病院は、災害拠点病院、DMAT指定病院、地域がん診療連携拠点病院など、様々な役割を担っており、高度な医療サービスの提供に努めています。
病院の建築は、21,950平方メートルの建築面積と129,715平方メートルの延床面積を誇り、免震構造や屋上ヘリポートを備えるなど、災害時の対応能力にも配慮された設計となっています。また、施設全体が禁煙であり、屋上やバルコニーの緑化によって自然環境との調和が図られています。
名称 | 独立行政法人東京都立病院機構 東京都立多摩総合医療センター |
所在地 | 東京都府中市武蔵台二丁目8番29号 |
電話番号 | 042-323-5111(代表) |
診断・治療可能な主な疾病名
神経・筋疾患 | 筋萎縮性側索硬化症、進行性核上性麻痺、パーキンソン病、重症筋無力症、多発性硬化症/視神経脊髄炎、慢性炎症性脱髄性多発神経炎/多巣性運動ニューロパチー、多系統萎縮症、脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く。)、もやもや病、脊髄空洞症、遺伝性ジストニア |
代謝疾患 | なし(注釈1) |
皮膚・結合組織疾患 | 神経線維腫症、天疱瘡、スティーヴンス・ジョンソン症候群、類天疱瘡(後天性表皮水疱症を含む。) |
免疫疾患 | 高安動脈炎、巨細胞性動脈炎、結節性多発動脈炎、顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、悪性関節リウマチ、原発性抗リン脂質抗体症候群、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎/多発性筋炎、全身性強皮症、混合性結合組織病、シェーグレン症候群、成人スチル病、再発性多発軟骨炎、ベーチェット病、クリオピリン関連周期熱症候群、若年性特発性関節炎、TNF受容体関連周期性症候群、家族性地中海熱、IgG4関連疾患 |
循環器疾患 | 特発性拡張型心筋症、肥大型心筋症、巨大静脈奇形(頚部口腔咽頭びまん性病変) |
血液疾患 | 再生不良性貧血、自己免疫性溶血性貧血、発作性夜間ヘモグロビン尿症、特発性血小板減少性紫斑病 |
腎・泌尿器疾患 | IgA腎症、多発性嚢胞腎、急速進行性糸球体腎炎、一次性ネフローゼ症候群、紫斑病性腎炎 |
骨・関節疾患 | 黄色靱帯骨化症、後縦靭帯骨化症、広範脊柱管狭窄症、特発性大腿骨頭壊死症、強直性脊椎炎 |
内分泌疾患 | 下垂体性ADH分泌異常症、アジソン病、副甲状腺機能低下症 |
呼吸器疾患 | サルコイドーシス、特発性間質性肺炎 |
視覚疾患 | 網膜色素変性症、中隔視神経形成異常症/ドモルシア症候群、眼皮膚白皮症、黄斑ジストロフィー、レーベル遺伝性視神経症、無虹彩症 |
聴覚・平衡機能疾患 | 好酸球性副鼻腔炎 |
消化器疾患 | 自己免疫性肝炎、クローン病、潰瘍性大腸炎 |
染色体・遺伝子異常 | なし(注釈1) |
専門外来 | 〈リウマチ膠原病内科〉SLE外来(全身性エリテマトーデス)、レイノ―外来(全身性強皮症など) 〈眼科〉神経眼科外来 〈耳鼻咽喉・頭頚部外科〉神経耳科外来 〈脳神経内科〉ALS/MND外来、パーキンソン病・DBS外来 〈脳神経外科〉血管奇形・オスラー病外来 〈呼吸器・腫瘍内科〉サルコイドーシス外来 〈皮膚科〉乾癬外来、免疫アレルギー外来 〈循環器内科〉成人先天性心疾患・川崎病外来 *なお、ご病状や個々の疾患の特性を考慮し、より専門性の高い医療機関へのご紹介をさせていただく場合があります。 |
備考1:診断・治療可能な疾病名は代表的なものを挙げているため、記載されていない疾病でも診断・治療が可能な場合がありますので、医療機関へお問い合わせください。
備考2:この表に記載する疾患の分類と医療機関の診療科名が異なる場合があります。また、様々な症状のある疾病は複数の診療科で診療を行っていますので、診療科につきましては医療機関へお問い合わせください。
備考3: ご病状や個々の疾患の特性を考慮し、より専門性の高い医療機関へのご紹介をさせていただく場合があります。
注釈1:診断は可能な疾病がある場合がありますので、医療機関へお問い合わせください。