ヘルプマークとは

2024-06-24 2024-06-24 5分40秒

ヘルプマークは、外見からは分かりにくい障害や疾患を抱える人々、あるいは妊娠初期の方など、援助や配慮を必要としている人々のために作られたマークです。このマークは、赤地に白い十字とハートのデザインで、支援を必要としていることと、周囲の人々にヘルプする気持ちを持ってもらいたいという意味が込められています。ヘルプマークは2012年に東京都で導入され、その後全国に普及していきました。現在では、多くの自治体でヘルプマークの配布や啓発活動が行われています。

ヘルプマークの目的

ヘルプマークの主な目的は外見からは分かりにくい障害や疾患を持つ人々が、周囲の人々に配慮を必要としていることを知らせる。意思表示のマークです。

公共の場所や交通機関での援助を受けやすくする。
社会全体の障害理解と思いやりの心を促進する。

ヘルプマークを必要とする人々

義足や人工関節を使用している方
内部障害のある方（心臓疾患、呼吸器疾患、腎臓疾患など）
難病の方
妊娠初期の方
発達障害のある方
精神障害のある方
その他、外見からは分かりにくい障害や疾患を抱える方

これらの方々は、外見上は健康に見えても、疲れやすかったり、長時間同じ姿勢を保つことが困難だったりする場合があります。また、突発的な出来事に対して臨機応変に対応することが難しい方もいます。

ヘルプマークを見かけたときの対応

ヘルプマークを身に付けている人を見かけた場合、以下のような対応をしてあげましょう。

公共交通機関での席譲り：電車やバスの中で、優先席でなくても席を譲る。
声かけ：困っているようであれば、声をかけて援助の必要性を確認する。
災害時の支援：災害発生時には、安全に避難するための支援を行う。
理解と配慮：外見からは分かりにくい障害や疾患があることを理解し、適切な配慮を行う。

ヘルプマークの入手方法

ヘルプマークは、多くの自治体で無料で配布されています。一般的な配布場所は以下の通りです。

都道府県や市区町村の福祉関連窓口
公共交通機関の駅や営業所
公立病院
福祉施設

都道府県ごとに、ヘルプマーク配付窓口一覧の情報がありますので、詳しくはそちらを見ると確実です。

配布に際して、障害者手帳や診断書などの提示は必要ありません。必要とする方からの申請により、窓口で配布されます。

インターネット上での転売が確認されていますが、そちらは購入せずに公的機関から入手することがいいとおもいます。

ヘルプマークの使用方法

ストラップ型：バッグや杖などに取り付けて使用
カード型：財布や定期入れなどに入れて携帯
缶バッジ型：衣服や帽子などに付けて使用

ヘルプマークの課題と今後の展望

ヘルプマークは、外見からは分かりにくい障害や疾患を持つ人々の社会参加を促進する重要なツールとして認識されていますが、いくつかの課題も指摘されています。

認知度の向上：
ヘルプマークの存在や意味を知らない人々がまだ多く存在します。継続的な啓発活動が必要です。
適切な使用の促進：
本当に必要とする人々がヘルプマークを使用できるよう、適切な配布と使用のガイドラインが重要です。
プライバシーへの配慮：
ヘルプマークの使用により、自身の障害や疾患が周囲に知られることを懸念する人々もいます。個人の選択を尊重しつつ、社会の理解を深めていく必要があります。
国際的な認知：
日本発のヘルプマークを国際的に認知してもらうための取り組みが求められています。
デジタル化への対応：
スマートフォンアプリなど、デジタル技術を活用したヘルプマークの新しい形態の開発も検討されています。

筆者としては、今後以下のような取り組みなども実施してほしいと思っています。

教育現場での啓発：
学校教育の中でヘルプマークについて学ぶ機会を設け、若い世代からの理解を促進する。
企業研修の実施：
企業や団体での研修プログラムにヘルプマークについての内容を盛り込み、職場での理解と配慮を促進する。
国際的な標準化：
ヘルプマークの国際的な標準化を進め、海外でも認識されるシンボルとして確立する。
テクノロジーの活用：
AR（拡張現実）技術などを用いて、ヘルプマークの視認性を高める新しい方法を開発する。
多様性への対応：
さまざまな障害や疾患に対応した、より細分化されたヘルプマークのバリエーションを検討する。

結論

ヘルプマークは、外見からは分かりにくい障害や疾患を持つ人々の社会参加を促進し、思いやりのある社会を築くための重要なツールです。

ヘルプマークの存在を知り、その意味を理解し、適切に対応することは、私たち一人ひとりの思いやりです。日常生活の中で、ヘルプマークを身に付けた人を見かけたら、思いやりのある行動を心がけましょう。同時に、ヘルプマークを必要とする人々が、躊躇することなくマークを使用できる社会環境を整えていくことも重要です。ヘルプマークの取り組みは、障害の有無にかかわらず、すべての人々が互いの違いを認め合い、支え合う共生社会の実現に向けた一歩です。私たち一人ひとりが、その意義を理解し、日々の生活の中で助け合っていきましょう。