中外製薬株式会社は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)に対する遺伝子治療用製品「Elevidys」(開発コード:SRP-9001)の国内での製造販売承認を厚生労働省に申請しました。この製品は、DMDの原因となるジストロフィンの発現を補うよう設計されており、承認されれば日本で初のDMDに対する遺伝子治療製品となる見込みです。

この製品は、優先審査対象薬で、承認されれば、国内初の遺伝子治療薬となる見込みです。

投与対象は、DMDのうち、エクソン8及び/又はエクソン9を含む欠失変異を有さず、抗AAVrh74抗体が陰性である3~7歳の歩行可能な男児を目指しています。

本剤は、DMDの原因に働きかけ、標的とする骨格筋、呼吸筋及び心筋に作用するようにデザインされています。

本剤は、日本においてDMDを対象として希少疾病用再生医療等製品の指定を受けています。
米国において、DMDに対する初の遺伝子治療用製品として、2023年6月に承認されています。
また、欧州でも2024年5月に申請しています。

日本でも迅速・的確に審査が進み、市場に出回ることを期待しています。

対象

デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD:Duchenne muscular dystrophy)
DMDは、筋ジストロフィー(指定難病113)の一形態で、男児の幼少期に発病し学童期に急速に進行する、希少な遺伝性の筋疾患です。世界では、男児の約5,000人に1人程度で発症するといわれており、女児では非常にまれです。DMDは、徐々に歩行能力、上肢機能、肺機能、心機能が失われ、何らかの治療を行わない場合、平均余命は28年と言われています。そのため、24時間フルタイムの看護が必要となり、介護者(普通は保護者)の負担が大きい疾患です。

参考

ニュースリリース

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