2024年10月15日に東京大塚にある「全国SCD・MSA友の会」を訪問してきました。
患者会事務所は建物の1階に構えていて、車いすの方でもアクセスがしやすいように配慮がされていました。
患者会事務所では、中村元子代表と丸山裕美理事(事務局長)と事務局員の方々に温かい出迎えを受けました。皆さんと終始、和やかな雰囲気でお話を伺うことができました。
  
                         全国SCD・MSA友の会

● 患者会について

 患者会の正式名称は、「認定特定非営利活動法人 全国脊髄小脳変性症・多系統萎縮症友の会」と長いので普通は、「全国SCD・MSA友の会」と呼んでいるそうです。(以降、「友の会」と省略させていただきます。)
友の会には、脊髄小脳変性症、多系統萎縮症の患者さん・ご家族の方、医療関係者の方々が参加していて、日々、情報交換や交流会を開催しているそうです。

● 各地支部について

 友の会は、支部制をとってはいないそうですが、全国各地にある同疾患の会と連絡を取り合い、該当地区の窓口の方々が、患者さん・ご家族のサポートを行うとともに、友の会でもその活動のサポートを行っているそうです。
また、コロナ禍ではオンライン会議システムを活用し、患者さん・ご家族の方が交流できるように活動をされていたそうですが、機器や操作の問題から予定していた交流会に参加できなかったという事例もあったそうです。その場合は、個別にZoomのサポートをするなどの対応をされたそうです。

● 医療講演会・相談会の開催

 年に1回、前半は専門の研究者の方をお招きして医療講演会、後半は医療顧問の先生方(専門医・理学療法士)に医療的なご相談ごとに回答していただく医療相談会を開催されています。コロナ禍を経てYoutubeライブ配信を行い、オンラインが苦手な方向けにもDVDを作成して提供するなど、遠方の方や外出困難な患者さん・ご家族の方々にも情報が届けられるように様々な工夫をされています。

● 認定NPO法人について

 5年前に特定非営利から認定非営利に格上げの承認を得て活動をしています。格上げ時は、色々な資料集め、格上げ後の書類などの監査が大変だったそうです。また、認定になると寄付企業が寄付金控除の計上ができるので寄付が集まると想定していたそうですが実際にはそのようなことはありませんでした。現在は積極的に企業から、寄付金を集める活動をしていないので、今後の活動の課題だそうです。

● 友の会がサポートしている疾患
 (脊髄小脳変性症・多系統萎縮症)について

 これらの疾患は、病気による運動失調症状の進行を遅らせる事しかできず、根本的な薬がないため、QOL(生活の質)を保つために対処療法とリハビリを組み合わせて行っているそうです。
また、症状が進行した際に入居する施設選びも医療的ケアができるところを選ばなくてはならないため、情報収集や選定に苦労することがあるそうです。

● 最後に

 友の会では、様々な患者会が抱えている世代交代の心配もなく、しっかりとした、かつ、フレンドリーな運営体制で日々、活動を継続されている団体であることを実感しました。

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