概要
ノーベルファーマ株式会社は、縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(GNEミオパチー)治療薬「アセノベル徐放錠500mg」(一般名:アセノイラミン酸)を2024年12月19日に発売すると発表しました。この薬剤は、日本で初めて承認された希少疾患GNEミオパチーの治療薬として注目されています。
本剤は3月に薬事承認されていましたが、発売までに時間がかかった理由について、ノーベルファーマ社は「需要に見合う供給体制を確保するため」としています。
縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(指定難病30)は、特に体幹から離れた部位の筋肉から萎縮・変性していく稀な病気で、現在国内で確認されている患者数は400人程度とされています。
縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー治療剤『アセノベルⓇ徐放錠 500 ㎎』新発売のお知らせ - ノーベルファーマ
アセノベル徐放錠500mg
https://nobelpark.jp/script/druginfo/drgDtl.php?id=30
製品概要
- 一般名: アセノイラミン酸
- 効能・効果: 縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチーにおける筋力低下の進行抑制
- 薬価: 500mg1錠あたり2,886円20銭
- 発売日: 2024年12月19日
疾患について
GNEミオパチーは、体幹から離れた部位の筋肉から萎縮・変性が始まる稀な遺伝性疾患です。日本国内の患者数は約400人と推定され、多くが10代後半から30代に発症するとのことです。アセノベル徐放錠は、GNEミオパチー患者で不足するシアル酸を補う経口薬として開発されました。東北大学を中心とした研究グループによる医師主導治験や臨床試験を経て、その有効性と安全性が確認されています。
臨床試験結果
国立大学法人東北大学病院で臨床試験が実施され、その結果が報告されています。
プレスリリース:縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(指定難病)を対象としたアセノイラミン酸の有効性確認試験結果
第2/3相試験では、アセノベル投与群で上肢筋力の低下が長期間にわたり軽減されることが示されました。さらに、48週の試験を終えた19人の患者に対して72週間の継続投与を行い、長期的な安全性と有効性が確認されました。この治療薬の開発成功は、ウルトラオーファン(極めて患者数の少ない希少疾患)に対する世界初の治療法として注目されており、今後のリアルワールドでの効果検証が期待されています。