患者さんが、たびたび混乱する表現に完治、寛解、臨床的寛解があります。
それぞれの言葉の定義を説明します。
完治
- いかなる治療をも必要とせず、健康な状態と同等に生活でき、
- 検査でも病気の判定が取れず、疾患が完全に消失し、
- 再発の可能性が極めて低い状態。
寛解
- 治療を継続することで、疾患の症状が一時的に軽減または消失した状態で
- 健康な状態と同等かそれに近い生活ができる。
- 疾患が完全に治癒したわけではなく、再発の可能性があるので、
- 治療を継続する必要がある。
臨床的寛解
- 検査データや画像検査で異常が認められない状態。
- 自覚症状(痛みや腫れなど)がほとんどない状態。
- 日常生活に支障がない状態。
- 必ずしも治療を継続する必要がないわけではありません。疾患の種類や状態によっては、再発予防のために治療を継続する場合があります。
- 寛解の一つの状態であり、厳密な意味合いは疾患によって異なります。
※ 多くの疾患で寛解、臨床的寛解が実現されています。 疾患の種類や状態によって、寛解、臨床的寛解の定義や治療法は異なります。
※ 寛解と臨床的寛解は、どちらも治療の継続が必要かどうかは、疾患の種類や状態によって異なります。医師の指示に従い、適切な治療を受けることが重要です。
詳しくは、医師にご相談ください。
寛解、臨床的寛解が報告されている主な疾患
寛解、臨床的寛解が報告されている疾患は多数あります。
ここに示されている疾患のある方が、寛解、臨床的寛解に到達できる保証ではありません。
あくまでも、報告例が多い疾患を挙げています。
リウマチ性疾患
- 関節リウマチ
- 若年性特発性関節炎
- 乾癬性関節炎
- 強直性脊椎炎
炎症性腸疾患
- 潰瘍性大腸炎
- クローン病
血液疾患
- 白血病
- 悪性リンパ腫
- 多発性骨髄腫
消化器疾患
- 自己免疫性肝炎
- 原発性胆汁性胆管炎
内分泌疾患
- 橋本病
- バセドウ病
その他
- 全身性エリテマトーデス
- 多発性硬化症
- 重症筋無力症
- サルコイドーシス
注意点
- 臨床的寛解は、疾患が完全に治癒したわけではない。
- 治療を中断すると、再発する可能性がある。
- 寛解状態を維持するためには、定期的な検査と適切な治療が必要。