日本新薬株式会社は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)心筋症を対象とするCAP-1002(deramiocel)について、米国FDAが承認申請を受理したと発表しました。この申請は優先審査指定を受け、FDAによる審査終了目標日(PDUFA date)は2025年8月31日に設定されています。

治療薬の概要

CAP-1002は、ヒト心筋から製造される細胞医療製品です。本剤から分泌されるエクソソーム(細胞外小胞)が、酸化ストレス・炎症・線維化の低減を促し、運動機能や心機能を改善すると考えられています。特に注目すべき点は、遺伝子変異の種類によらず、幅広いDMD患者に効果が期待できる点です。

今回の承認申請は、第Ⅱ相試験(HOPE-2試験)とHOPE-2オープンラベル延長試験などの結果に基づいています。

事業展開について

日本新薬は2022年1月に米国、2023年2月に日本における本剤の独占的販売契約をCapricor Therapeutics社と締結しています12。米国で承認された場合は、日本新薬の米国子会社であるNS Pharma, Inc.が販売・販促活動を実施する予定です12

デュシェンヌ型筋ジストロフィーについて

DMDは、筋肉細胞を支えるジストロフィンタンパク質の欠損が原因で骨格筋、心筋、肺の筋力低下を引き起こす進行性の筋ジストロフィーです。患者の心筋細胞は徐々に死滅して瘢痕組織に置き換わり心筋症となり、最終的に心不全が起こります。これがDMD患者の主要な死因となっており、有効な治療法の開発が求められています。

日本新薬は難病・希少疾患を注力領域として位置づけており、日本および米国において自社開発品のDMD治療剤「ビルテプソ®」(核酸医薬品)を販売しています。今回の細胞医療製品が承認されることで、DMDに苦しむ米国の患者さんの治療に貢献することが期待されています。

ソースURL: https://www.nippon-shinyaku.co.jp/ir/ir_news.php?id=3327

おすすめの記事